完璧主義なあなたへ贈る『六人の嘘つきな大学生』

ミステリー

〜お悩みが緩和されていく。そんな本を処方します〜

六人の嘘つきな大学生

対象者

  • 今の世の中に不満を感じている
  • 強い固定概念がある
  • 人の良いところに気づけるようになりたい
  • 完璧主義者
  • 就職・転職活動をしている
  • 理想が高くなってしまう

待合室

何か物事に対して、無意識に白黒つけてしまうことがあります。

この人は、信用できるなとか、できないとか。

「あの人って、こうらしいよ」という噂話を鵜呑みにし、

きっとそのレンズを通して、その人を見てしまったりします。

息をするように判断し、疑うことなく受け入れる。そして悪循環が繰り返されていくのだと思います。

私たちは表面だけを見てしまい、何か大切なものを失っているのかもしれない。

本質を見ることはとても難しい。自身の本当を知ることですら努力が必要だと感じます。

だからこそ、正解でもなく不正解でもない。

その間もあるということを心に留めて、相手や物事と向き合っていくことが大切なんだと思います。

それができればきっと、世界はもっとキラキラしていて温かいです。

処方本

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 さん

今回ご紹介する処方本は、浅倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』というミステリー小説です。

この本は、人間の表の顔、裏の顔を思う存分堪能できます。

そう聞くと、何やら悲劇的な展開を想像してしまいますが、

予想とは全く異なる形で物語が繰り広げられます。

登場人物のイメージが二転三転していくのです。

皆さんは歩んできた人生で、相手の印象が何度も変わるという経験をしたことがありますか?

私はないのですが、それは相手のことを見ようとしていなかったからだと思いますし、

恐らく相手はこうなんだろうと、自分の中で決めつけていたからなのかも知れません。

自分自身の日常を振り返られる、沢山の『気づき』がこの本から得られると思います。

処方のタイミング

日時間がたっぷり使える時に、処方することをおすすめします。

副作用として、中毒性・不眠があります。

処方のタイミングには注意してください。

『六人の嘘つきな大学生』あらすじ

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

引用元:Amazon

処方本 レビュー

1 就職活動 × ミステリー

『こんなミステリーの形があったのか!』

と思わず声に出してしまいそうになるくらい心打たれる作品。

色々な意味で、私の世界を広げてくれたミステリー小説でした。

就職活動は本当に大変で、皆さん経験した方もいらっしゃると思うのですが、

ひりついた空気感の中、人事の方に「買ってください」と言わんばかりに

自分のことを営業する日々だったことと思います。

ですが、この作品の選考は一味違う。

登場人物達が人間不信になり、殺し合いでも始まるのでは?

と手に汗を握りながら、読み進めていくことになります。

2 人間の表と裏の顔

人間の表の顔と裏の顔、誰しも持っているものだと思います。

そしてそれは別に悪いことではないと思うのですが、

人のそういう部分を見ると、中々咀嚼できない瞬間もあったりしますよね。

この作品では、人間の表の顔、裏の顔が詳細に描かれています。

疑心暗鬼になりそうなくらいリアルで、ドキッとしたり、既視感あるシーンも。

見えない探偵に、「犯人はあなたです」と言われているかのようで心臓ごと掴まれた気分でした。

まとめ

この情報社会では沢山のネガティブが転がっていたりしますが、

本人しか知るはずのないことを、一つの出来事でジャッジしてしまっている事もあるかもしれません。

本当は善良な人でも、一つの悪の印象だけで決めつけてしまっては悲しいです。

そしてそんな見方を続けていると、この世界がとても残念な場所に思えてしまいます。

捉え方は人それぞれですが、完全に悪なんてことはなくて、

きっともっと優しくてただ不器用なだけなのかなと、この作品に気付かされました。

余談ですが、私たち人間は生態ピラミッドのてっぺんにいるみたいです。

言葉という道具を使いコミュニケーションをはかりますが、

その道具はいつからかすごく難解なものになり、扱い方が非常に繊細なものへと生まれ変わりました。

誰かを陥れるための道具ではなく、誰かを笑顔にさせられる道具になれば、

きっと世界はもっと美しいです。

あなたも、もし染み着いて剥がれなくなってしまった考え方があり、葛藤しているのなら

この作品中で、何度も裏切られるトレーニングを受けると、

優しい世界の住人に生まれ変われると思います。

Kindleだと更にお得に読むことが!

 







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